栄養ドリンクは疲労回復に効果あり?最新科学による驚愕の事実とは
疲労が溜まってしまった時についつい頼りにしてしまう栄養ドリンク。
でも、「栄養ドリンクは本当に疲労回復に効果があるの?」と疑問に思っていませんか?
そこで今回は最新の疲労科学が明らかにした栄養ドリンクの疲労回復効果について詳しくお伝えします。
疲労はどうして起こる?
「疲労」というと、エネルギー不足による「ガス欠」をイメージされる方も多いと思います。
ですが、最新の疲労研究によると、疲労はエネルギー不足が原因で起こるのではないのだそうです。
では、疲労がエネルギー不足で起こるのではないとしたら、何が原因で疲労が起こるのでしょうか?
その答えは、細胞への「酸化ストレス」です。
酸化ストレスとは、体内で活性酸素が過剰に発生することで引き起こされる有害な作用のことを言います。
疲労は、細胞がこの酸化ストレスにさらされることで錆びてしまい、細胞本来の機能を維持できなくなることで起こります。
人間は細胞内で酸素を燃焼して作りだしたエネルギーを使って活動していますが、この過程の副産物として発生するのが活性酸素です。
この活性酸素は、通常、細胞内に存在する抗酸化物質によって除去されるため、普通の活動量ではそれほど問題になりません。
ですが、オーバーワークなどによってエネルギー生産が多くなると、それに伴って活性酸素も多量に発生し、抗酸化物質による活性酸素の除去が追い付かなくなります。
その結果、細胞内に残った活性酸素が細胞内の様々な箇所を傷つけて、細胞の機能が低下し、私たちの活動のパフォーマンスを低下させます。
これが、疲労の基本的なメカニズムです。
栄養ドリンクに疲労回復の効果はあるの?
結論から言いますと、栄養ドリンクには疲労を回復させる効果はありません。
それが証拠に栄養ドリンクのどこにも「疲労回復に効果があります」とは記載されていません。
現在のところ、疲労回復効果が科学的に証明されている栄養ドリンクは一つもないのだそうです。
そもそも栄養ドリンクは、日本がまだ貧しくて人々が栄養不足だった時代にビタミンB1の欠乏で生じる脚気(かっけ)の改善にビタミンB1を配合したドリンクが役立ったことが起源です。
現代の日本は昔と違って、食糧事情が良くなり、ビタミンB1が欠乏することによる脚気はほとんど見受けられなくなっています。
脚気(かっけ)・・・・・ビタミンB1欠乏症の1つで手足のしびれやむくみが起き、歩きにくい、一人で座りづらいといった神経症状が出る。
ですから、わざわざ栄養ドリンクでビタミンB1を補給する必要はありません(普通の食生活を送っていれば足りている)。
それに日本で最も売れている栄養ドリンクの1つにはタウリンが多く配合されています。
「タウリン●●●●g配合!」と言われると、いかにも疲労回復に効果がありそうですが、タウリンには疲労を回復させる効果はありません(科学的に証明されていない)。
しかも、タウリンは体内で必要量を合成することができる成分なので、わざわざ栄養ドリンクで摂る必要がありません。
このように「栄養ドリンクを飲めば、疲労が回復する」というイメージはメーカーの宣伝による巧みな“刷り込み効果”によるものです。
栄養ドリンクを飲めば飲むほど疲労は溜まる
栄養ドリンクにはカフェインと微量のアルコールが含まれているものが多いです。
カフェインは覚醒作用があり、微量のアルコールには気分を高揚させる働きがあります。
栄養ドリンクを飲んで一時的に疲労が回復した感じるのはまさにカフェインと微量のアルコールの力が大きいです。
栄養ドリンクを飲んだ直後は疲労が軽減したように感じて、2~3時間後にドッと疲労が押し寄せてきたという経験をされたことはないでしょうか?
それはカフェインと微量のアルコールによって一時的に疲労を感じなくなっていたものが切れたからです(麻酔が切れた感じ)。
実際には疲労は全く取れていないので、疲労を先送りしただけで本当は危険なんです。
それに栄養ドリンクには大量の糖分を含むものが多いです。
低血糖の時には頭がボヤーとしていますから、大量の糖分を摂ることで頭が冴えたような気持ちにはなります。
それと引き換えに血糖値は急上昇します。
あらゆる病気を防ぐには血糖値の急上昇を抑える必要がありますから、病気予防の観点からも栄養ドリンクは好ましくないと言えるでしょう。
科学的な根拠がある疲労回復成分
栄養ドリンクに疲労回復の効果がないのだとすれば、一体何が疲労回復に効果的なのでしょう?
2003年、大阪市立大学、大阪市、大手食品・医薬品メーカー18社などが参画した産官学の「抗疲労プロジェクト」がスタートしました。
このプロジェクトには国家予算15億円が投じられたといいます。
プロジェクトの中でこれまでに医薬界や一般企業、また社会的に疲労回復に効果があるとされていた23種類の食品中に含まれる成分の効果が検証されました。
検証された23種類の成分には、ビタミンC、クエン酸、コエンザイムQ10、カルニチン、アップルフェノン、カフェインなどがあったそうです。
このうち、最も疲労回復に効果的だというエビデンス(科学的実証)が得られたのは「イミダゾールジペプチド」という成分だったそうです。
イミダゾールジペプチドは身近な食材だと鶏の胸肉に多く含まれる成分です。
渡り鳥のキョクアジサシは1年間に北極圏と南極圏を行き来しており、移動距離は3万km以上に達すると言われています。
そのパワーの源は羽の付け根の筋肉(胸肉)部分に多く含まれるイミダゾールジペプチドです。
イミダゾールジペプチドには酸化ストレスを軽減する抗酸化作用があり、そのことが疲労軽減につながるのです。
家畜化された鶏も遺伝的に胸肉部分に多くのイミダゾールジペプチドを持っているそうです。
それ以外にも大型回遊魚のマグロやカツオも多くイミダゾールジペプチドを持っているそうです(尾ビレ部分)。
イミダゾールジペプチドは1日200mgを1~2週間摂り続ければ疲労回復に効果的だと言われています。
鶏の胸肉であれば100g、マグロやカツオであれば150g中に200mgのイミダゾールジペプチドが含まれています。
疲労回復には栄養ドリンクを飲むよりこれらの食品を毎日摂ることを心がけてはいかがでしょうか?
イミダゾールジペプチドを手軽に摂れるドリンク
「イミダゾールジペプチドが疲労回復に効果的なのは分かった。でも、毎日鶏の胸肉やマグロ・カツオを食べ続けるのはちょっと大変!」と思った方もいらっしゃるでしょう。
そんな方はイミダゾールジペプチドを手軽に摂れる「イミダペプチドドリンク」はいかがでしょう?
1本300mlに1日に必要な200mgのイミダゾールジペプチドが含まれていますので、無理なく続けることができます。
10本980円(税込・送料無料)のお試しセットもありますので、気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、「栄養ドリンクは疲労回復に効果あり?」について詳しくお伝えしました。
疲労に関する研究は日々進化しています。
昔は常識だと思われていたことが現在では非常識になっていることも多々あります。
間違った疲労回復法を実践していると、逆に疲労を増大させるリスクがあります。
正しい知識で正しい疲労回復法を実践していきましょう。
なぜ渡り鳥は1万km以上も休むことなく飛べる?
渡り鳥のオオソリハシシギはアラスカからニュージーランドまでの約1万1千kmを無着陸で9日間飛び続けることができるのだそうです。
一体なぜそんなことができるのでしょうか?
その秘密は羽の付け根の筋肉部分に多く含まれるイミダゾールジペプチドという成分が関係しています。
イミダゾールジペプチドは疲労物質の活性酸素を除去してくれる強力な抗酸化物質です。
実はイミダゾールジペプチドは渡り鳥だけが持っているのではなく、私たち人間の体内にも存在しています。
ですが、加齢などが原因で減少してしまうといいます。
ですから、疲れ知らずの体でいるためには絶えずこの成分を補うことが必要です。
イミダゾールジペプチドは鶏の胸肉やカツオやマグロに多く含まれていますから、これらの食品を日ごろから積極的に食べるようにしましょう。
研究費総額15億円の産官学連携「抗疲労プロジェクト」とは?
2003年に大阪市立大学など5大学、大阪市、大手食品メーカー、大手医薬品メーカー18社が連携した「抗疲労プロジェクト」がスタートしました。
このプロジェクトの目的は疲労の「みえる化」と「疲労が軽減する食成分」を見つけることでした。
このプロジェクトにより高血圧や高血糖と同じように疲労度を数値化することに成功しました。
それが、「疲労測定器」です。
持ち運びができるハンディタイプで左右に穴が開いており、その中にセンサーが内臓されています。
両手の人差し指を左右の穴に差し込み、椅子に座って2分半安静にしていると、現在の疲労度が測定できます。
現在は一部の医療機関でしか利用できませんが、将来的には体温計や血圧計のように一家に一台の普及を目指しているといいます。
近い将来、「疲労測定器での数値が『要注意』なので、本日は会社を休ませていただきます。」と言える社会がやって来るかもしれません。